2026年6月8日伝える”チャンスを生かし、“伝える力”を育てましょう

 台風で休園になると言う経験が今までなかったので、又気候変動の脅威を実感しました。寒暖差も激しく、衣服の調節も追いつきませんね。のびるねっ子達も、時々熱を出してバランスを取りながら,どろんこまみれで歓声を上げて元気いっぱい遊んでいます。今年は入園の「はじめましての会」に、自分の花壇を作り、花を植えました。草ぼうぼうだった所が耕され、少しずつ作物の苗が植えられています。「この葉っぱはキュウリ?」「これはナスかな?」「まだ食べられないよ」畑ならではの会話が交わされています。
 お母さんたちも仲間入りしたので、ますます豊かな畑になってきました。東京の文京区育ちの私などは、自然は豊かでしたが、田んぼや畑は身近には無かったので、所沢で初めてごぼうが植えられた畑を見て、ビックリでした。ごぼうに葉っぱがついている物を、大人になって見たのですから。森のようちえんは全国に沢山ありますが、それぞれの地域の特色を生かし、拘りを持って運営されています。所沢と言う地域を生かした自然育児の出来る、子どもたちの居場所になっていくと素敵です。毎日の水やりで大きく育っていく野菜たちの様子を見ながら、収穫して食べる体験が、乳幼児期に出来るなんて最高です。

 広い野原に散らばってそれぞれが好きな事をしていた頃と違い、8 人の子どもたちが、つかず離れず同じ遊びを楽しんでいる様子が見られます。まだまだ一人遊びに夢中になる時代ですが、周りが良く見えるようになり、一緒が楽しいことに気づいて遊ぶようになったのですね。それと共に、まだまだ唯我独尊、お山のてっぺん我一人の時代です。分け合ったり、順番を守ったり、気遣いしたりが出来る時代ではありません。勿論出来る時もありますよ。また子どもにもタイプがあって、やられてばっかり、取られてばっかり、の子もいるし、時にはズルをしていたり、意地悪しているように見える時もあります。

 大人は揉め事が起こると「仲間に入れて」「貸して」「ごめんね」「ありがとう」こんな言葉で終わらせたいですよね。だからその時の気持ちまではなかなか聞いてくれません。気持ちを言葉にすることは、まだできないと思っているのかもしれません。でも子どもたちに起こる出来事には必ず理由があります。確かに問われてもどう言い表したらよいのか、大人でも難しい時がありますから、3,4 歳の子どもたちには話せないかもしれません。でもいろいろな場面で、もう少しその時の思いを聞き出す声掛けをして欲しいです。思いが通らずケンカやトラブルが起きた時など、落ち着いた後の言葉がけで「嫌だった」と言ったら、その言葉を「嫌だったのね」とまず復唱してから、それで終わらせず「どんなところが嫌だったの?」「どうして欲しかった?」と会話を重ねていきます。子どもの言った言葉を必ず 1 回復唱してあげるのがコツ。言葉を返してもらう事で、自分の事として捉え、気持ちが整理されていきます。起きた現象だけでなく、その時に感じたことを言葉に出来るようになるのも、こんな関りが大切です。自分の気持ちを言葉にすることで、相手の思いにも気づき、想像できるようになります。こんな体験無くして、思いやりなどの気持ちの育ちや、反省して本当に「ごめんなさい」が言える様になったりはしないでしょう。「好き」とか「きれい」とかの言葉にもちょっと踏み込んで、どこが?どうして?と問い返す、こんな言葉が交わされたら、話が弾み、豊かな対話が生まれます。

 今私たちはネット社会の中で、顔を見ないで言葉を交わすことが多くなりました。「いいね」と言う言葉ですべてが受け止められた、理解した気になったり、SNSと言う目に見えない物に振り回され、傷つき、傷つける危うさに直面して居ます。【自分の思いをうまく言葉に出来ない】【こんなことを言ったら叱られるかな?】【みんなはどう思うのだろうかと自信が無くてしゃべれない】、学校でも、会議の場でも、他人の話を黙って聞くだけの子どもや、大人も多くなりました。社会全体に対話する事、伝えあう関係が希薄になっています。是非小さい時から、家庭の中から、職場でも、思いを言葉にして繋がる事の心地よさを体験して大事にしていきましょう。
 ドキュメントや、園からのお知らせは“楽しかった”が多いのが当たり前ですが、時には宿題を持ち帰る時もあります。まだまだ言葉の数は豊かではありませんから、複雑な気持ちは言葉ではなく態度になります。食卓を囲みながら、お風呂にはいりながら、「今日こんなことがあって嬉しかった」とか「困った」とか、親の方が話してみるのも良いと思います。お手本やきっかけづくりになるかな。