2026年6月29日アートと子どもたち

 先週の日曜日、心打たれる体験をしてきました。四谷に番町教会と言う創立以来130年以上の歴史があるプロテスタント教会があります。新しく建て替えられた教会の窓に、ステンドグラス作家の友人の作品が埋め込まれている、美しい教会です。この教会をお借りして、NPO 血液患者コミュニティ「ももの木」の26周年記念に、アートでお手伝いに行ったのです。
 この会を立ち上げたステンドグラス作家の友人は、自身も白血病を克服して、その後同じ病気を乗り越えた仲間や、亡くな った方の家族とも繋がり支え合い、自分達の経験を社会に役立てようと色々な活動をしています。特に「命の授業」と言うテーマで学校に出向き子どもたちと語り合う実践も重ねてきました。
 私が10年ほど前に取り組んだ時「人は死んだら生き返ると思いますか?」との問いかけに、幼児と小学生の子どもたちの半数近くが「生き返ると思う」に手を上げました。命に向き合う経験をしてこなければ、又ゲームの世界で育っている子たちにとって、リセットすれば元通り、テレビに出てくる人も死んでも別の番組に出ていたりするわけですから、分かりにくいのも当然です。子どもの自殺やいじめの世界でも、「本当に死んでしまうとは思って居なかった」と言う事もあるのではないかと思います。
 昔は不治の病と言われていましたが、今は移植技術も進み、希望をもって生きていいと交流する人たちの活動が広がり、これからも子どもたちに生きている事のすばらしさを伝え続けて欲しいと願っています。一日信者で、礼拝に参加しました、パイプオルガンの演奏で歌う聖歌も牧師さんの説教も新鮮でした。

 親子組さんの1歳児から年中さん、と異年齢ののびるねの子どもたちと今回は『アナログ団扇』夏にピッタリのアートです。のびるねでアートをする時、何時ものことながら、一人が取り掛かり、だんだん増えて、みんながやり始め、終わりはまた一人二人と終わりを自分で決めて、次に移っていきます。
 夢中になり集中する時間はみんな違います。やりたくなるその時も、違います。
 1年近く通った臨床美術士の養成講座で、準備から、導入、制作、仕立て、鑑賞会、この手順をなかなか踏めません。声をかけ、今やっていることを終わりにさせ片づけをして始めれば、こちらの思惑通りに少しは進めることが出来るのでしょうが、遊んでいるところをアートの時間だからと、止めさせたくはない。となるとテーブルセッチングも出来ない事もあり、机も、時には床も凄いことになっていきます。お母さんがいる時は、お母さんたちの方が慌ててフォローしてくれて助かっています、これも部屋がいくつもあれば解決するのでしょうが、環境だけの問題ではなく、このやり方で、子どもたちのそれぞれの取り組み方や、「面白い」の感じ方、どんなことに夢中になったのかが良く分かり、なかなか気に入っています。もともとアートにいろいろな説明を加えるのが好きではなかったのですが、乳幼児の制作は、このくらいの自由さがあって良いと思うようになりました。保育園にアートの先生として呼ばれて行く時は、20人近くの子どもたちが、席について待っていてくれます。「もっと庭で遊んでいたかったかな?」ドキドキしちゃう子もいるでしょう。なので、私もドキドキしています。無理強いはしないでください、と先生にはお願いしています。見ているだけの子が居ても、サッサと終わりにしてしまう子が居ても、全く違う方法でやりたがる子が居ても全部受け止める準備をしています。

 こんな私のゆる~いアートですが、子どもたちの集中する姿に毎回私が新鮮な喜びを貰います。アートだけではありませんが、遊びに夢中になっている時、子どもの「面白い」「もっとやりたい」「きれいだな」「これはどうやったらいいだろう」と脳がすごい勢いで変化しています。この時、脳の中では「ドーパミン」と言う神経伝達物質が活発に放出され始めます。ドーパミンの役割は「快感」や「やる気」を生み出し脳の報酬系と呼ばれる回路を刺激します。この回路が働くことで「もっとやりたい」「やってみたい」と言う気持ちが強くなります。だから集中力や持続力が高まるのだそうです。きっかけは好奇心ですね。子どもの好奇心が脳を育てる秘訣のようです。子どもの「おもしろい!」の好奇心を大切にしていきましょう。