2026年3月3日子どもの絵の鑑賞は、子どもを信頼する力になる

 梅に桜に花便りが届きます。受験シーズンも終わり、泣いたり笑ったり心ゆすられる季節がやってきました。三寒四温、なんて素敵な表現でしょう。春はすぐそこまで来ているよ!と、約束してくれているようです。誰が書いているのか知らせもせず、気ままに書いては手渡しているのは、進藤幸枝です。もうすぐ1年になります。たくさん書かせていただきました。読んでくださっている方、「ありがとうございます」

 のびるねの子どもたちも、出会った昨年の 4 月から顔つきも、体の動きも全く違って見えます。自分の足や、腕を見せて「筋肉がついて硬くなった」と自慢したり、得意な「ヤダヤダ」も、一応言ってみて大人の反応を面白がっているようで、チョッピリ悔しいです。もぐもぐの赤ちゃんたちは、ようやく私たちを信じて安心して、笑顔を惜しまずふりまいてくれますし、未知の世界に探検で、 もうお母さんの傍にくっついている時間も短くなっています。毎日来ている弟たちは、自分もしっかり仲間だと主張します。こんなワクワク、ドキドキする日々を頂いている私たちは、本当に感謝しなければともう何十年もこの季節になると“ありがとう”の思いが溢れます。

 今日はひな祭りです。菱餅や、ひなあられの「ピンク・白・緑」にも意味があって、ピンクは魔よけになり、不老長寿の力を持つと言われる「桃の花」を表していて、白は清らかな「雪」、緑は健やかな「新緑」邪気を払い清めると言われています。信じるか信じないかは夫々ですが、見えない力や存在が私たちの思考に何らかの影響を与えてくれているように思います。長く伝わる日本の季節の伝統行事に、子どもたちが健やかに大きく育つことは当たり前の事ではなく、本当に幸せな事なのだと再確認する日でもあるように思います。

 2 月に私がやっている「でこぼこの実アート教室」の作品展がありました。 この教室は月 1 回、親子で参加が基本です。大人も子どもも同じ体験をします。アートの世界は自分と向き合う時間です。同じ時間、体験を共有することで見えてくる世界があります。いつも鑑賞者として、悪く言えば、上手、下手のジャッジをする立場にいる親たちが、こどもたちはどんな気持ちで表現を楽しんでいるのか、結果だけを見せられるより、自分も同じ体験をすることで、共感できることが増えていきます。言葉がけも違ってきます。

 入口に飾られたこの「光と色のステンドグラス」の作品に引き寄せられるように、1 日 70 人近くの人たちが観てくれました。個々に描いたパステル画なのですが、こうして共同作品に仕上げると、本当のステンドグラスのようです。色、線、タッチ、不思議とどこかでつながっていきます。この絵から美しさは勿論やさしさも伝わります。

 今年度も、のびるねでたくさんのアートをしました。もぐもぐの赤ちゃんたちも絵の具だらけになり、傑作を誕生させていました。赤ちゃんはいつごろから絵を描くようになるのでしょう?握りしめているげんこつがパーと開かなければ物はつかめませんから、お座りが出来るようになったころかな?とにかくいのちを守る為に感覚機能の中で舌は発達しているので、まずは破いて嘗め回して、目を離せば口に入れてしまいます。でもこうして感触、舌ざわり、温度や、形なども知っていくのでしょうから、既にアーティストになる準備開始です。

 私がやるアートだけでなく、子どもたちは毎日芸術家そのもので過ごしています。土を触りこねて、水を流し、木々を拾ってくっつけて、カップに入れた砂をひっくり返して型抜き、ブロックや積み木を積み上げたり、子どものアートの始まりは、五感を使った立体造形で、やはりこれがとても大事な事なのだと思います。大人になるに従い、触覚ではなく視覚中心になります。子どもたちから、汚い、危ない、いい子にしていて、とこんな遊びや体験を奪い、知識の詰め込みをするようになった結果、既に目から入ってくる情報で、本当に分かったつもりになって居る子どもたちが増えてきています。 不思議がる事、面白がること、感動する事、それは誰かに教えてもらう事ではなく、自らの体を使って遊ぶ体験でしか身につかない。だから子どもの姿、遊び、表現した作品を見るときは、大人は楽しむこと、面白がること、それが出来るのは子どもを信頼している証です。そして子どもの創造力を伸ばす秘訣かもしれません。